仕事柄か職業病か、弊社では新しいコラボレーションツールを見つけると大体試します。co-meetingと同分野のサービスをチェックする意図はもちろんですが、こうした調査が元に自社導入に至るケースも多々あります。
その際、意識的に見るのはツールの「焦点」であり「目指しているポジション」です。この焦点の違いによって、リリース時にほぼ同じ機能を持った2つのサービスが、全く違う方向に向かうこともありますし、自社導入を考えるのであれば、自分たちが望む進化をしてくれるのかどうかにも大きく影響します。
と、そうしたことを考えながら新しいツールを試しているのですが、そうした「お試し」の一端をこのブログのなかで不定期にお裾分けしていきたいと思います。今回ご紹介するのは、Yammerの元CPO(Chief product officer)が提供している企業向けチャットツール「CoTap」をご紹介します。
CoTapは昨年マイクロソフトに12億ドルで買収されて話題になったYammerの元CPOが手がけるメッセージングツールで、今年の5月に550万ドルの資金調達を実施した後、10月にリリースされたばかりのサービスです。
キャッチフレーズの「Simple and secure mobile messaging with your coworkers.」と言う言葉通りで、企業利用に耐えるセキュリティ(それが何かは今のところサイト内には記載されていないが)の確保を意識したシンプルなチャットツールです。利用には企業メールアドレスが必要で、現在は無償で利用できます。
特に変わった機能は何もないが、それがむしろ特徴に見える。
CoTapは、現時点ではテキストメッセージにのみ対応しており、LINEやWhatsApp、Facebookメッセンジャー等では当たり前な、「画像」「動画」「位置情報」「ボイスメモ」「連絡先」などを送信する機能は存在せず、スタンプもありません。必要最低限の機能を確実に動作させることを意識しているようにも見えます(スプラッシュさえ出ない)。
機能拡張は随時されていくとは思いますが、今後、どのような機能の取捨選択をするのか、それ自体が興味深いツールだと思います。
カレンダー情報から作れるグループチャットが便利
唯一特徴を感じる機能がカレンダーとの連携機能です。iOSのカレンダーと連携し、自分以外のチームメンバー(同一ドメインのメールアドレス)が含む予定のみ抽出して表示してくれます。予定をタップするとグループチャットが開き、その予定にアサインされている関係者間でチャットができます。アポ直前の連絡など、その場でグループチャットを作成するのは面倒ですから、これは便利です。
終わりに
CoTapは非常にシンプルなツールで、機能的に目新しい要素は全くありません。ですが、実際に触ってみた感触だと、当たり前の機能が当たり前の操作感でストレスのない反応速度で利用できる印象があり、安心感があります。遊びはありませんが、日頃LINE等を常用している人も違和感なく利用できると思います。
まだリリースしたばかりで有償版も存在しないため、本格導入するには時期尚早ですが、ウォッチしておく価値はあるツールなのではないかと思います。