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co-meetingを使い続けて思うこと : 社内のコミュニケーションはプル型の方が効率が良さそうだ

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co-meeting社に合流して以来、初めてのco-meetingに関するブログです。普段仕事をしているなかで私が最近感じたことです。

気づくとプル型のコミュニケーションが中心になっていた

co-meetingでのコミュニケーションは、プッシュ型ではなくプル型で行われることの方が多いのですよね(ちゃんと気づいたのは最近ですが)。誰かを指定して連絡を取ったり呼びかけるのではなく、自分の仕事のメモを取るだけです。他のメンバーが気になる場合は、勝手にコメントを入れてくれます。インバウンドなコミュニケーションとでも言うのか、いつの間にかこれが普通になっています。ただ、一般的にプル型のコミュニケーションと言うと、掲示板やナレッジベースなど、「後から見る」ことを意識したプラットフォームを利用したコミュニケーションを指すことが多いようで、「今」を共有してコミュニケーションをとるco-meetingと同じものなのかどうかはちょっと微妙ですね。

これはそれなりに効率が良く、他のメンバーの時間も自分の時間も無駄に割きません。書いているのはあくまで自分の仕事を進めるためのメモです。それぞれが並行して自分の仕事をco-meeting上にメモを取りながら進め、ひと段落すると他のメンバーのメモをざっと確認します。メモには各メンバーの作業内容が記載されていますから、敢えて内容を説明する必要もなく、気になる点があれば、その点だけコメントをすれば事足ります。それぞれが集中力や進捗状況踏まえつつ、自分で時間をコントロールしながらコミュニケーションを取ることができるわけです。

ちなみに、プッシュ型でのコミュニケーションが前提になってしまうと、常に他のメンバーを意識した報告作業を行う必要がありますし、そのために情報を整理する必要もあります。単純な情報共有だけでなく、報告のための準備時間もかかるわけですね。その際、思考が仕事の目的に対してから社内に向いてしまうのも、きっと時間を無駄にしています。

もちろん、私たちにしても、全てがプル型のコミュニケーションで済ませているわけではなく、緊急時にはプッシュ型になり、あらゆる手段を用いて連絡します。ですが、大半の仕事はプル型の方が効率が良いのではないかと考え始めてます。 

上司が望む品質の報告が上がってこないのであれば、報告させないで見に行けばいい

これは、報告だけでなく結果もそうかもしれないですが、仕事を部下に頼んだとして、その過程や終了時の報告が自分の想像以上の品質で上がってくることは少ないと思います。予想以上の品質である場合は、その部下がたまたま優秀であるからで、それは部下に恵まれたと思って感謝した方が良いのでしょう。きっと。

ただ、自分が満足できない報告だったとしても、部下はその報告のための資料や内容をまとめるのに多くの時間を割いています。任せた仕事の内容によっては、その仕事に取り組む時間を超えているケースもあるかもしれない。それは本当に無駄な時間です。そんなことに時間を使うくらいなら前に進んで欲しい。

報告書作成のために時間を割き、その報告書の品質も上司が満足できるレベルではないと仮定するのであれば、自分の仕事のため、そのためのメモに時間を割いて欲しいと私は思います。そのメモさえ(co-meeting上で)見れれば、気になる点は指摘しますし、大きな問題があれば軌道修正もします。文章表現に後々不安があれば、それを指摘することもできます。これを繰り返し実施していけば、メモとチェックのサイクルの効率も上がるでしょう。

「そんなやり方にしたら、全員のメモを見るのが大変じゃないか!?」と、思うかもしれないですが、全員の報告を受ける方が大変なんじゃないかと思います。報告を受けるために時間を割き、敢えて聞く必要のない背景情報や余談を聞くこともあるでしょうから。メモを読むのであれば、ざっと眺めた後にポイントを絞って確認すれば、ものの数分で終わります。自分の時間を報告のために押さえる必要もなくなりますし、むしろ上司側の方が楽になるのではないでしょうかね。

メンバーの生産性を最大化するために、プッシュ型ではなくプル型で

トップ個人では仕事を回せないから会社や組織ができ、マネージャーだけでは仕事が回せないからチームをつくります。自分たちの仕事をスケールするために人を増やすわけですから。個々の仕事の効率を下げること要因は極力排除したいところです。そういう意味で、このco-meetingによるプル型のコミュニケーションは、リソースが制限され、ヒューマンリソースを自由に使うことができなかったり、未熟な人材を多く抱えるチームには効果的なのではないかと思います。

 プル型のコミュニケーション中心にシフトした場合のメリットを列挙しておきます。

  • 取り組んでいる仕事そのものに集中できる(させられる)
  • 報告を聞く時間を削減できる(上司や他のメンバーが自分の空き時間や節目を利用して確認できる)
  • 間違いや軌道修正を、事前に上司や他のメンバーが指摘しやすくなる
  • ストレスが減る(本人:報告書作成しなくて済むから)
  • ストレスが減る(上司、他のメンバー:長い報告を聞かなくて済むから)

つまり、無駄が減ると言うことです。最後の2つはおまけですが。

思い返せば、ブログが普及し始めた頃に、社内の進捗報告のためにブログを利用されているケースを目にした記憶があります。現在でもブログを利用してプル型のコミュニケーションを軸にして仕事をされている会社もあるのだろうとも思います。co-meetingが必ずしもプル型のコミュニケーションをする上で最善のツールではないかもしれませんが、タイトル(テーマ、イベント)とコンテンツ(内容)といった、ブログに近い構成を持っていますので、情報が流れやすいソーシャルメディアやチャットに比べると、遥かに向いています。

また、今私たちが行っているようなプル型のコミュニケーション自体、co-meeting以外で成立させられるかどうかもわかりません。他のツールで試してないですからね。YammerやFacebookグループはco-meeting創業以前から利用していますが、プル型というよりは、きわめてプッシュ型に近い(シェアをして読んでもらいたいという意識が強い)コミュニケーションツールだと思っています。また、前述したようにソーシャルメディアは情報が流れやすいため、一つの仕事を継続的に共有するためには機能させられず、だからこそco-meetingを使っているとも言えます。

現在は、私たちのco-meeting以外にもコミュニケーションツールも多々ありますし、その選択をプロジェクトごとに変えているケースもあるかとお思いますので、どういったやり方をしているのか、色々な方に聞いてみたいですね。

 

(2013年2月5日にco-meetingに掲載していた記事をこのブログに移動:2014.2.19)