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一歩踏み込んでカテゴリを破壊するWebサービス

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国内でシェアをのばし続けている会計サービスfreeeや、先日紹介したPandaDocをみていると、既存の業務ソフトウェアの機能的な枠を一歩踏み込んで市場を変質させたり、破壊しているような気がします。

たとえばfreeeは、既存の会計ソフトが士業や経理担当など、会計の専門家が利用するソフトだという既存の会計ソフトを作っている人たちの当たり前から一歩踏み込み、専門的な知識が必要な仕訳処理をだれでも(ある程度の知識はいるが)できるようにすることで、個人事業主や創業したての経営者の心を鷲掴みにしました。

当初はそうした「自力でなんとかしていた層」がターゲット立ったのだと思いますが、いまではその枠を超えて、既存の会計ソフトのシェアも浸食し始めています。

また、先日このブログで紹介したPandaDocも、既存のWebベースのワープロソフトやサービスが文書を作成して共有するところまでにとどまっていたところを、文書作成後の社内外のワークフローを回すところまで踏み込み、かつ営業文書という用途まで絞ることで商品価値と顧客単価を高めています(商業的にどこまで成功しているのかは、ことPandaDocについては未知数ですが)。

あるカテゴリ内でソフトウェアの機能を検討したり、その枠の中で競争していると、「会計ソフトの機能はこういうもんだ、その範囲でシェアNo.1を誇るあの会社のソフトはほぼ完璧に近く、いまから勝負するのはちょっときついな」とか、「ここまで機能を網羅しているから、ここから利便性や品質を高めていくだけだな」と考えたくなるのですが、あるとき突然freeeやPandaDocのように、既存の概念や当たり前をぶち破るソフトウェアがでてきたりします。

そうした市場の変化に直接関わるとそれほど悠長にもしていられないですが、まだまだEnterprise向けのサービスに延びしろや面白味があることを感じられるのが楽しいです。

freeeやPandaDocにどれだけ影響しているのかはわからない点も多々ありますが、こうした一歩踏み込んだサービスの背景には、それらを実用レベルに押し上げる技術的な進化だったり、それらをベンチャーなど人的利ソースがそこまでないチームでも実現できるくらいにライブラリやクラウドサービスが出そろっているからこそできている面もあると思います。

現在はちょっと手の届かなそうな技術が、気づくと誰でも使える状態になる。そのスピードもどんどん速くなってきている気もします。

手が届くようになった技術を利用して、従来では対処が難しかった業務課題の解決に踏み込む。成功するかどうかは市場への投入タイミングに大きく影響はしてしまいますが、タイミングが合うソフトウェアが出現すればそのカテゴリ全体が大きく進化することになり、その価値は利用者(エンドユーザー)にも伝搬していきますし、それを感じるEnterprise向けのサービスも増えてきていますね。

面白い動きであると同時に、とても勉強になります。

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