Enterprise Apps Now

-社内で調査した国内外のエンタープライズアプリやサービスを随時ご紹介-

produced by

チームの生産性向上に最適なツールの選び方 - プレゼン資料と注釈の関係

縁あって、2016年12月1日にドコモ・イノベーションビレッジで開催されたイベント「テクノロジーと新しい働き方が出会うところ」において「チームの生産性向上に最適なツールの選び方」と題したセッションに登壇させていただきました。その際に利用したスライドを公開します。

 チームの生産性向上に最適なツールの選び方 

プレゼンの行間や余談、背景情報を持ち帰っていただくために

今回、このスライドに少々遊びを入れています。話の本筋(プレゼン)で利用しているスライドは38枚くらいなのですが、ダウンロードするとわかりますが、スライドそのものは合計で80枚あります。

この残りの42枚のスライドには、スライドの作成過程で考えていたことや、プレゼン中で登場する用語やツールのカテゴリの解説をTipsとしてあれこれ(好き勝手に)書いたものです。

f:id:yanotaka:20161212123641j:plain

本筋のスライド中には随所にハイパーリンクが貼ってあり、それをクリックするとTipsに移動するようになっている。Tips内の任意の場所をクリックすると、元のスライドに戻る。

 誰でもそうだとは思いますが、講演内容やスライドが完成するまでの過程で、スライドに含まれていないことをあれこれ考えていると思います。

伝えるべきことを資料やプレゼンそのものにまとめ上げるのがプレゼンスキルだと言えばそこまでなのですが、溢れかえる余談や背景となる情報をなんか持ち帰ってもらう手段はないものかと考えて作ったのか今回のスライドです。

サウンドノベル「428 - 封鎖された渋谷で」 オマージュ

最近新作を見なくなりましたが、昔から好きなゲームのカテゴリとしてサウンドノベルがあります。細かく説明はしませんが、Wikipediaに記載されている内容を引用すると下記のようなものです。

「サウンドノベル」は、テレビ画面に背景映像とサウンド(BGMや効果音)をともなって表示される文章を追って、読み進めていくことで進行するものである。

サウンドノベル - 概要 - Wikipedia

紙の本ではありえない音や、絵の動きといった演出が加わることで、プレイヤーに臨場感・緊張感を与えている。文章を追っていく途中で選択肢が提示され、物語の展開にプレイヤーが働きかけることが可能で、クリア回数やストーリーの進行具合によっては、出現する選択肢が増えたり、変わったりするなど、従来のアドベンチャーゲームでは見られなかった特徴を持っている。

サウンドノベル - 概要 - Wikipedia

今回のセッションのスライドを作り始めたころに、たまたま以前AppStoreで購入した「428 - 封鎖された渋谷で」を引っ張りだして遊んでいて、改めてそのクオリティの高さに感心しながら楽しんでいたのですが、興味に惹かれ、何かに活かせないものかと思った点がいくつかありました。

  1. テレビやスマホで文字を読ませるためのデザイン・レイアウト
  2. 物語や専門用語を補足するTipの存在

今回公開しているスライドは、この2点を強烈に意識して作成しています。

テレビやスマホで文字を読ませるためのデザイン・レイアウト

428を始めとするサウンドノベルは、テレビ画面に映し出して楽しむことを前提に作られています。ということは、テレビ画面で文字を読むことにストレスを感じないような文字サイズや行間になるように意識して作られていることを意味しています。スマートデバイスでも読めるような文字サイズです。

そう考えると、この文字サイズで作っておけば、会場のスクリーンで映し出しても、とりあえずスマホで読んでも問題なく読めるのではないかと考えて、今回は大体サイズを合わせて作っています。428は行間のバランスもフォントも美しかったのですが、行間やフォントはある程度合わせた。という程度ですね。フォント名でもわかれば面白かったのですが。

ただまあ、スマホで読んでも十分読めるサイズにはなったかな。とは思っています。 

f:id:yanotaka:20161212150248j:plain

物語や専門用語を補足するTIPの存在 

428では、物語を読み進めていくと所々で色の違う文字列が出てきて、そこからTIPを参照できる。TIPでは用語解説だったり、映画のコメンタリーのような風合いのコメントが書かれていたり、それが直接ゲームにも影響することがあったりと、とても面白い。

調べてみると、このTIPは428の前の作品である「街 ~運命の交差点」から使われ始めたようで、Wikipediaでは下記のように解説されていました。

文章中に色の違う文字列が存在するが、これが「TIP(ティップ)」である。ボタンを押しそのTIPを選択することで別ページが開き、その語句の説明・解説が脚注形式で行われる。緑色(選択後は深緑)のTIPがこのゲームの登場人物に関する解説で、水色(選択後は青)は物や場所、一般に使用されている熟語・語句・事象の説明である。

このシステムにより、本文中に余計な文章を織り込む必要がなくなると同時に、一般生活では用いられない難しい語句説明を、その場で受けられるようになった。それだけでなく、主人公のシナリオに大きく絡まない登場人物や事象にも、シナリオのテンポを崩すことなく細かく軽妙な解説が付加できる。

Wikipedia - 街 〜運命の交差点〜

 ここで、「本文中に余計な文章を織り込む必要がなくなると同時に、一般生活では用いられない難しい語句説明を、その場で受けられるようになった。」と書かれているのを読み、前述したような、構想中に考えていた余談やウンチクなどをうまくスライドに組み込めるのではないかと思ったわけです。

f:id:yanotaka:20161212151149j:plain

f:id:yanotaka:20161212150330j:plain

まとめ - プレゼン資料よりもebookでむしろ使いたい手法

プレゼンに関連するTipsを書くことは楽しく、後から資料をダウンロードして下さった方々もそれなりには楽しめるのではないかと思います。ただ、Tips自体はプレゼンそのものには直接関係はなく、Powerpoint上での調整を含めると結構な時間がかかるので、まあ、今後改めて同じような資料を作ることがあるかと言われると、まあなかなか作らないでしょう。

むしろ、このタイプの資料はプレゼンよりもeBookに向いているかもしれません。企業のホームページでよくみるeBookは文字が細かいことが多く、印刷したりタブレットで読む分には良いのですが、スマホで読むのはちょっと厳しい文字サイズであることが多い気がしています。

そうした形態の資料は、それはそれで良いですが、今回の本題とTipsを混ぜたような構成はコンテンツのボリュームも生まれるため、ebookとして個人情報を入力した上でダウンロードするような場合でも納得感を生みやすいかもしれません。作るのが大変なことには変わりませんが。

まあ、パワーポイントで表現する資料の変わった例として、参考に、いや楽しんでいただければ幸いです。

 ----

 

www.spike-chunsoft.co.jp