CPQ (Configure Price Quote)やQuote-to-Cashといったソリューションは国内ではあまり聞きませんが、立派な見積システムと言ったところです。このAPTTUSはUSのAppExchange上でCPQで検索すると一番人気として表示されるアプリなのですが、12月4日の「Salesforce World Tour Tokyo」にGold Sponsorとして協賛しています。
CPQ (Configure Price Quote)について
企業が取り扱う商品が増えるほど、価格表は膨れ上がり、見積書を作成する作業が煩雑化します。価格表もその解釈にすらノウハウが必要なほど複雑化することもありますので、見積の作成スピードやその質が営業個人の能力に依存してしまいますし、お客様から見積依頼を受けてから見積を提出できるまでの時間もそれなりにかかってしまいます。
CPQはこの見積を作成する過程で発生する作業を効率化する機能と、社内の販売ルールに沿ったワークフローの多くを自動化することで、見積の作成スピードを飛躍的に向上させることを目的としたものです。
おそらく、国内ではこの分野のシステムは保険会社等を始めスクラッチに近いシステム構築をしているケースが多いのかなぁ。とは思います。
APTTUS CPQの機能
ざっとAPTTUS CPQの特長を読み解いていきます。
Guided Selling
CPQを利用する際には、自社で取り扱う商品やそのオプションなど、売れるものすべてとその構成を登録することになりますがが、それらをSalesforce内に格納されている顧客情報と紐づけ、規定の情報は自動的に埋めたり、アップセルやクロスセルにつながる情報を営業に対して提示したりしてくれる機能のようです。
Advanced Pricing
価格設定はかなり柔軟に行えるようです。製商品価格、サブスクリプションモデル、従量課金モデル、販売地域に応じた値引きルールなどが設定できるようですね。
Deal Management
商談管理機能ですね。ただ、上記の商品情報や価格やルール、そして顧客情報を組み合わせ、商談を進めるためのワークフローを最適化することができるようです。固有の顧客やそのプライオリティ。各個人に与えられた権限に応じて、組織内の承認プロセスを飛ばしたり、排除したりすることができるようです。
Renewals Management
変更管理ですね。商品の価格変更等を履歴管理する機能です。さらっと書きましたが価格表をEXCEL等で管理しようとした場合の変更管理は気の遠くなる作業です。また、契約更新やトラブルの際には過去の価格の推移も重要な情報になるため、システムに格納できるだけで本来ありがたい機能です。
X-Author for CPQ
EXCEL上でAPTTUS CPQを利用できる機能のようです。CPQの機能だけでなくChatterクライアントとしても機能するようですね。
Self-Service Portal
パートナーや顧客が自分で見積を作成できるセルフサービスポータルを公開するための機能です。
Electronic Signature
電子署名ですね。国内では、特にB2Bでは電子署名による取引はまるで普及していませんが、USでは結構普及しているようです。実際電子署名専用のアプリもAppExchange上で人気があるようです。
と、かなり豊富な機能が揃っています。スクリーンショットは取れそうなものがなかったのですが、デモムービーがそれなりに公開されていたのでご興味があればご覧ください。 Configure, Price, Quote Archives - APTTUS
雑感
CPQが面白いと感じるのは、従来であれば（特に日本では）営業個人やマネジメントの判断や社内ネゴに時間がかかってしまいそうなプロセスの短縮にまで踏み込んでいることですね。システムにこれらの情報を入れ込むということは価格やルールをロジカルに整理し切る必要があるため、相応の労力がかかるとは思いますが、その結果得られるスピードは魅力的に映ります。
前述したとおり、国内ではゼロから開発したり、ワークフローやBPM等を利用して開発されていそうな分野ですが、中小企業でも利用可能なレベルの価格に収まるのであれば、試してみたいと感じる仕組みです。
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